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今の時代の「安定」とは?

今の時代の「安定」とは?

「安定」の定義は一般的に、
定年になるまでクビにならず、一生金銭面の苦労がない状態が「安定」と考えられていると思います。

一昔前は
銀行、大企業、公務員などの職業に就くことが「安定」だと言われていました。

高給で定年になるまでクビになることが少なかったためです。
私自身も祖父にそのように言われて育ってきました。

では、この価値観は今の時代でも通用するのでしょうか?

結論から言うと、一切通用しないと思います。

私がそう思う理由を説明していきます。

銀行
※前提知識として、銀行の本業は「企業に融資して貸出金利で儲ける」といったものです。
①貸出金利の低下

資金需要は年々減少する傾向にあり、それに伴って貸出金利も下がっています。
貸出金利が下がると銀行がもらえる利息も下がるので結果的に売り上げも下がっています。

そのため、地銀では本業で赤字のところが少なくありません。

②不良債権
不良債権とは貸付融資先企業の経営悪化や倒産によって回収が困難な可能性が高い貸付金のことを指します。
コロナウィルスの蔓延により、不良債権が圧倒的に増えるといわれています。

「メガバンクなら平気だろ?」
という意見があるかもしれませんがみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などのメガバンクでも人員を削減し、支店の数を減らす方針を打ち出しています。

M&A仲介、コンサルティング、金融商品販売なども銀行の収入源ですが、どれも割合が低く、銀行にしかできない仕事ではないのであまり期待はできないでしょう。

大企業
①終身雇用制度の崩壊
経団連の中西宏明会長やトヨタ自動車の豊田章男社長をはじめとする経済界のリーダー達がこぞって「終身雇用の維持は難しい」といった内容の発言をしています。

実際に、賞与カット、昇給停止、人員削減、副業の推進、希望退職募集、週休3日制の導入などを行い、人件費の見直しをしている大企業は少なくありません。

公務員
①税収の減少
公務員の給料の源は税収です。
しかし、コロナウィルスや少子高齢化の影響によって年々、歳出が増えている一方で歳入は減っています。

言い換えると、公務員に払う給料がそもそもない状態です。
実際に、2020年にはボーナスの引き下げが行われました。

②技術の発展
デジタル化やAIの技術が発展したことで「人」が必要ではなくなった業務は少なくありません。

例えば、住民票や印鑑登録証明書などの各種証明書はコンビニで発行できるようになったことがその1つでしょう。
それについての詳細はこちらの記事に記載しているのでよければチェックしてみてください。
マイナンバーカードを作るメリット

ここまでの説明で伝えたいことは、
決して、銀行、大企業、公務員に勤めることや業務内容を否定したいわけではありません。

今まで「安定」と言われていた職業ですら先行きが見えない中でイノベーションとコロナが重なり、「安定」と呼べる職業はもう無いということです。

いつどの仕事が無くなってもおかしくない状態です。

では、今の時代の「安定」とは何なのか?
①複数の収入源、②適応能力・判断力を持つことが「安定」と言えるのではないでしょうか?

①複数の収入源
例えば、崖にぶら下がっている状況だとして、
1本の命綱で支えられている状態と3本の命綱で支えれれている状態だったらどちらが安心できますか?
十中八九3本のほうと答えるでしょう。
これを仕事に置き換えて考えても、同じく命綱は多いことに越したことはないでしょう。
例外として、何かのプロだったり、卓越したスキルを持っているなら別です。
しかし、そのような場合はごく一部です。

ネットで簡単にビジネスや副業ができるようになった現代で1本の命綱で生きていくのはとても「不安定」だと思います。

②適応能力・判断力
仕事の伸びしろがなかったり、業績が悪化していたら、すぐに方向転換する能力が大切です。
先ほども述べましたが、今はいつどの仕事が無くなってもおかしくない状態です。
沈むとわかったらすぐに方向転換できれば最悪の事態は免れることができます。

最後に、副業を始めるうえでいくつか注意点を書きます。
まず大前提として、短期間で楽に稼げるようになる副業はありません。
一定期間継続しないと結果は出ません。

SNSで「短期間で楽に稼げます」みたいな人がいますがあれはほとんど悪質な情報商材屋です。
10万~50万くらいの情報商材を売りつけられて何もスキルは身に付かないままお金を失うだけです。

そういった「悪人」に騙されないように気をつけてください。

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