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モノの価値

モノの価値

「100万円の機械式時計」「5万円の最新のアップルウォッチ」

どちらが価値があるのでしょうか。

もちろん価格で考えたら100万円の機械式時計の勝ちです。

実用性機能からしたら、100万円の機械式時計は5万円のアップルウォッチに勝てません。
すると価格は高いのに機能としては価値が無いのです。

では高価な機械式時計のどこに価値があるのか?

その複雑なメカ機構や工作技術、素材、歴史によるブランド価値、製造が少ないことによる希少性かと思います。
両者で価値のあるところが全く違いますね。

つまり上記の2つは比較できないということです。

同じ時計と言う名前でくくられているので、比較してしまいがちですが、本来比較できない別の分野のものであるべきでしょう。

100万円の機械式時計が高級時計だとしたら、アップルウォッチは高機能時計と言った感じでしょうか。

これと同じことがテスラの電気自動車と、それ以前の自動車でも起きたように思います。

両者は比較できません。

テスラに複雑なエンジンのメカ機構や、素材、歴史によるブランド価値、希少性はありません。
でもアップルウォッチと同じように、実用性や機能からしたら圧倒的です。

同じ自動車と呼ばれていますが、テスラは電気自動車、それ以前の自動車はエンジン自動車と分けて呼ぶべきでしょう。

この新世代の時計であるアップルウォッチと新世代の自動車であるテスラには共通していることがあります。

それ以前の物が手間とコストを掛けて作り上げて来たものが、手頃な価格で手に入ると言うことです。

例えば、アップルウォッチで言うと正確な時間、アラーム機能、防水性、耐衝撃性、耐磁性などです。

これを機械式時計でやろうとしたら、とてつもないコストがかかります。
しかし、最新技術はそれを簡単にローコストで成し遂げてしまいます。
おまけにオーバーホールも無いです。

テスラで言うと、静粛性、加速性、運動性能、各種の自動制御です。
これらが従来のエンジン自動車の場合は、実現しようとすると大変なコストになっていました。

また、静粛性を求めると静音材で重くなる、それに負けない加速性を求めるとエンジンが大きくなる、エンジンが重くなると、運動性能が落ちる、各種の自動制御を行おうとすると制御基板が増えて重くなるなど矛盾を解決できませんでした。

そのため、エンジン自動車は、運動性を求めた場合には2シーターのスポーツカー、静粛性を求めた場合にはセダンと形を分けて進化しました。

しかしテスラは、その矛盾が同居できてしまいます。
静粛性の高い、運動性の高いクルマの登場です。
しかも、オイル交換、タイミングベルト交換、各種機械部品の摩耗などがありません。
メンテ箇所が、圧倒的に少ないです。

僕が機械式時計とアップルウォッチ、ポルシェケイマンとテスラと、実際に購入して試して思ったのは、こういった新しい技術をさっさと受け入れて、それに浸って生きる方が楽なんじゃないかと言うことです。

以前のものにこだわると、とても時間(メンテ)とお金(購入と維持)がかかります。
見栄は張れるかもしれませんが、僕はめんどくさく感じてしまいます。

新しくて便利なものを使って、余分にお金を稼ぐことなく生きた方が、楽じゃないでしょうか。

味わいを求めて、たくさんお金を稼いで古き良きものを維持する生き方を否定するものではありません。

それはそれで大変素敵なことであると思います。

同じ音楽を聞くにしても、レコードに針を落として聞くのと、CD以降の音楽の聞き方では味わいが違いますからね。

両者は比較できないと言うことです。
スタイルの違いですね。

これを書いていて、古い町並みを保存する街と新しく作り変えてしまう街でも同じだと思いました。
また、それについて書きたいと思います。
古い町並みの保存について